日本の神さまは、僕らの住まうこの星の中心がどこにあるか教えてくれている。
地球は自転しながら、太陽系を回っているのはご存じの通りだが、夜の星空をみあげると、
ひとつ、中心となっている星に気が付く。
キャンプに出掛けたら、是非、夜の星空を
眺めてみてほしい。その星を中心にすべての天体が時間とともに動いていく。
その宇宙の中心にある星の名は、北極星。古代、この国の先人たちはこの星に
天御中主(アメノミナカヌシ)という名前をつけ、
古事記の神話の冒頭にすべての中心であり起源となる神様として紹介した。
宇宙の中心にすべての始まりを求めた神さまの物語は、天地をわけ、方角をあらわし、
時を刻み、いずれ時計や地図を作り上げることになる。
僕らが毎日をあたり前に過ごすとき、原初の神である天御中主を中心とした
自然の理(ことわり)のなかで命を育んでいることを忘れてはならない。
その理(ことわり)には、天御中主を中心に地球の自転が左回りとなっていることも
含まれる。
多くの人のつむじが左回りだったり、学校のグランドにつくられる
ラニングコースも気が付けば左回りが多いのも、
天御中主を中心とし左回りに自転するこの星(地球)に住まう理の中の命だから
なのかもしれない。
わたしたちの先祖は日々の暮らしの中で様々な風土や風習を作り上げてきた。
子供が生まれればお宮に参り、成長とともに七五三を祝うのもその理の中で得た“命”の
誕生や成長への感謝と祈りそのもの。ただの通過儀礼と思うなかれ。
新しい命は氏神様へご報告してこそ地域や環境、その暮らしに守られて、
その後の成長は割り切れない年数で祝うことで厄災を防ぎ、魔を寄せつけないとも考えられた。
振り返ればさまざまな風習の多くは、自然の理から生まれたものが多く、
その理こそ神さまのおかげさまとし、自然そのものを神に見立ててきたのが、
随神の道(かんながらのみち)なのではないだろうか。
自然崇拝のなかにある日本の神様の物語は、僕らの命が繋げる“暮らしの知恵”に
満ちている。
ライフスタイル神社学では、自然の理から先人達が紡いできた
神話を読み解くことで、今を生きるわたしたちに、毎日の暮らしにちりばめられた
大切なことを思い出させてくれるに違いない。
神社学教授
全国各地にあるソーシャル大学にて「神社学」を展開。地方活性のひとつとして尾道自由大学を設立し、校長に就任。その他、イマジン株式会社代表、(社)人力チャレンジ応援部代表理事。世界を旅し、外から見ることで日本の魅力に改めて気づき、帰国後に日本の魅力を再発見していく中で、とことん神社に心を奪われる。著書に、絵本『あまのいわと』、『JINJA BOOK 神社本』シリーズ、『日本の神さまと上手に暮らす法』などがある。
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昔から日本の神さまは私たちの暮らしの中にあり、その神さまと出会い語らう場所が神社だったのかもしれません。
それは神社が建てられるずっと以前からあった祈りの地であり、自然とともに生きてきた日本人にとって、もっと根源的な空間だったのではないかと思います。
奥深い神社の魅力を「古事記」などに記された神話や伝説を紐解きながら、日本の神さまや歴史的背景、先人との対話を意識して、神社学ならではの楽しみ方をシェアしていきます。
中村先生と一緒に実際に神社を参拝する野外活動になります。
新しい発見や、神社学ならではな視点からみた神社。フィールドワークによるワクワクするような体験を通して、想像力豊かに心と体をめいいっぱい使って、その土地の“祈り”に触れていきます。
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