2025.10.17
着物は元々、日本人が西洋の衣服が入ってくる以前に着ていた日常着です。しかし、西洋の衣服が入ってきて、洋服を着るのが普通になった現在、「着物」は特別な時や改まった場所で着られるものとして変わってきました。着物は単なる衣装ではなく、素材や柄で季節感をも表現します。また、相手に対する敬意やお祝いの気持ちを表現するアイテムにもなっています。季節や立場を大切にする日本の文化や美意識が表されているのです。
近年、「着物を通して日本文化を見直そう」という動きもあり、大学構内で和装をして過ごす「着物の日」や、着物を着て美術館や博物館へ行くと「着物割」をしてくれる等の着物にまつわるイベントが盛り上がってきています。京都・鎌倉・川越・浅草をはじめとする日本文化を楽しめる観光地では「着物レンタル」を行う店も増え、着物で旧所名跡巡りを楽しんでいる旅行客の姿も多くみられるようになりました。
日本の文化や美意識が込められた「着物」の歴史を紐解いて、着物をもっと楽しんでみませんか?
着物の起源は中国「呉」の国から伝来したされています。着物販売店をさす「呉服屋(ごふくや)」という言葉はここから来ています。狭い袖口と胸元で襟を合わせた上衣に、女性はスカートのような裳(も)をつけて、男性は一枚の布を体に巻き付けた巻布衣(かんぷい)をまとっていたといわれています。
襟の合わせ方は当初は左右が混在していましたが、飛鳥~奈良時代には律令制の影響で「右前」が礼装の基本として定着したと考えられています。
この頃になると遣唐使が廃止され、日本独自の変化が発達していきます。平安時代には、布を直線的に裁って縫い合わせる「直線裁ち」が衣服の主流となり、体型を問わず着やすい構造が確立しました。複数の布を使うにつれて色彩の感性は強まり、奈良時代の冠位十二階に見られる「色による身分表現」の流れを受けて季節感や美意識と結びついた色の合わせかた、「かさね色目」として洗練されていきました。種類は200以上あったとされています。
まずは布の裏表で表現する「重ね色目」を一部ご紹介します。いずれも家流で名前や順番、色味が異なる場合がありますので、ほんの一部の例としてお楽しみください。
「襲(かさね)色目」は衣を重ねたことでみえる袖口や裾のグラデーションを楽しむもの。こちらも同じく、無数の組み合わせで四季折々を表現していました。
基本的には草木等の植物の色で表現されますが、素敵な組み合わせがすごく多いですよね。昔の日本の色彩感覚は現代にも息づき「日本の色」として愛されています。とはいえ貴族も普段から重ね着することはせず、庶民と同じように小袖だけで過ごすことが多かったようです。
武家が中心となった鎌倉では平安時代の貴族の格式ばった衣装から離れていきます。鎌倉時代以降の武家社会では動きやすさが重視され、下に着ていた小袖が次第に外衣として着られるようになりました。室町時代には小袖が日常着の主流となっていきます。装飾が施され、袖や肩、裾に模様を入れたりと派手な小袖が作られるようになったといわれています。
江戸時代は比較的平和になり、町人文化が栄えた時代です。装飾技法もどんどん進化して「織」も「染め」も技術が多種多様になってきます。庶民も麻や木綿だけでなく絹を着ることができ、金糸の刺繍も取り入れられ始めました。
一方で、奢侈(しゃし)禁止令により豪華な衣装が禁じられた時期もあります。それでもおしゃれを楽しみたかった町人は、服の裏地を豪華にして、見えない所でこっそり遊ぶ「裏勝り」という文化を生み出しました。
明治維新により武士の世の中が終わり多様な、衣装を着る時代に変化するにつれ着物を着る人も減っていきます。第二次世界大戦後にはほとんどの人が洋服で過ごすようになり、着物は結婚式や成人式、卒業式などの特別なタイミングで着る物となりました。
現代では着物を着る機会は減りましたが、成人式、卒業式、結婚式など、ハレの日に着る「晴れ着」として定着しています。滅多に着ない着物だからこそ特別感のある装いとなります。「ハレ」とは非日常的なおめでたい日・儀礼や行事など、節目の日の事を指します。ハレの日には特別な衣装を着るのが良いとされています。まさに振袖や訪問着など、着物が代表と言えるでしょう。着物は「特別」に、洋装は「当たり前」になったため、次第に着物に関わる職人や生産者は減り、技術や伝統を守る動きが必要になってきました。そして、結城紬、小千谷縮、宮古上布などの伝統的な織物が国の重要無形文化財に指定され、着物文化をユネスコの無形文化遺産への登録を目指す動きも出てくるようになりました。
近年になって着物が見直されはじめ、「着物を気楽に着よう」という風潮に。洋服とミックスしたユニークでかわいいカスタマイズで楽しむ方も増えてきました。
着物のほうにも変化がうまれ、昔ながらのアンティークな着物だけでなく、現代的な色柄の着物が増えてきたり、ベルト式の帯などの手軽に楽しめる工夫が施されたものも人気になってきています。
しかし、着物といえば簡単に手が出ない高価なもの。着物と帯、道具の一式をそろえるとかなりのお値段になってしまいます。
そこでおすすめしたいのが「レンタル着物」です。レンタル着物ならお値段も張らず、心ゆくまで自分に合った色の着物や帯を選べます。しかも繊細な着物の管理も必要ありません。「着物には憧れるけど、正直買うまでではないかな……?」という人は、レンタルで気軽に着物を楽しんでみてはいかがでしょうか。
せっかく着物を楽しむのなら、ロケーションにもこだわってみませんか。小江戸と呼ばれるほど歴史があり、情緒がある街「川越」は散策するのにぴったりな観光地。
そんな川越の一角にレンタル着物のお店「晴衣(はれころも)」はあります。「晴衣」は「セルフスタイリングで愉しむ、現代和装」というコンセプトの着物レンタルサービスです。
着物作家による個性が光るデザイン性の高い着物が豊富で、小物もオプション無しで自由に組み合わせられます。着物はすべて着脱が簡易なセパレート仕様!自分好みの着こなしに挑戦できます。
女子旅やカップルでの利用はもちろん、自分らしい着物スタイルを楽しみたい方にぴったりです。
ファッション感覚で和装を楽しめるので、着物初心者でも気軽にチャレンジできます。
関東
〒350-0063埼玉県川越市幸町3-2椿の蔵1F
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椿の蔵
足湯喫茶TSUBAKIYA
■西武新宿線「本川越駅」を利用の方、東武バス5分、「一番街」にて下車、または徒歩16分。
■東武東上線・JR「川越駅」を利用の方、東武バス7分、「一番街」にて下車すぐ。
※尚、江戸の日は、蔵の街通りが所定の時間「車両通行止め」となります。
随時予約受付中
起源が非常に古い「着物」ですが、日本の歴史とともに進化を続けて、現代になってまた日本人と縁深い存在になりはじめています。着物はお手入れをすれば長く着続けられるものです。お祖母様やお母様から着物を継いでいる人も少なくないかもしれません。
難しく思われがちな着付けでも、現代は手軽に動画などの手段で覚えることだってできます。和洋ミックスが流行に取り入れられる昨今、簡単に着ることができる着物や「帯ベルト」のような便利なアイテムも増えてきました。ブーツやスニーカーに合わせて、あなたの感性でモダンに着物を楽しんでみませんか。
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川越で着物レンタルするなら『晴衣(はれころも)』へ!着付け時間の目安や着物の選び方、注意点をご紹介
「着物」の歴史を知っていますか?|時代に合わせて着物を風流に楽しむ
着物は元々、日本人が西洋の衣服が入ってくる以前に着ていた日常着です。しかし、西洋の衣服が入ってきて、洋服を着るのが普通になった現在、「着物」は特別な時や改まった場所で着られるものとして変わってきました。
着物は単なる衣装ではなく、素材や柄で季節感をも表現します。また、相手に対する敬意やお祝いの気持ちを表現するアイテムにもなっています。季節や立場を大切にする日本の文化や美意識が表されているのです。
近年、「着物を通して日本文化を見直そう」という動きもあり、大学構内で和装をして過ごす「着物の日」や、着物を着て美術館や博物館へ行くと「着物割」をしてくれる等の着物にまつわるイベントが盛り上がってきています。
京都・鎌倉・川越・浅草をはじめとする日本文化を楽しめる観光地では「着物レンタル」を行う店も増え、着物で旧所名跡巡りを楽しんでいる旅行客の姿も多くみられるようになりました。
日本の文化や美意識が込められた「着物」の歴史を紐解いて、着物をもっと楽しんでみませんか?
目次
着物の始まりとその変遷|ざっくりわかる日本の装いの歴史
弥生~奈良時代
着物の起源は中国「呉」の国から伝来したされています。
着物販売店をさす「呉服屋(ごふくや)」という言葉はここから来ています。
狭い袖口と胸元で襟を合わせた上衣に、女性はスカートのような裳(も)をつけて、男性は一枚の布を体に巻き付けた巻布衣(かんぷい)をまとっていたといわれています。
襟の合わせ方は当初は左右が混在していましたが、飛鳥~奈良時代には律令制の影響で「右前」が礼装の基本として定着したと考えられています。
平安時代
この頃になると遣唐使が廃止され、日本独自の変化が発達していきます。
平安時代には、布を直線的に裁って縫い合わせる「直線裁ち」が衣服の主流となり、体型を問わず着やすい構造が確立しました。複数の布を使うにつれて色彩の感性は強まり、奈良時代の冠位十二階に見られる「色による身分表現」の流れを受けて季節感や美意識と結びついた色の合わせかた、「かさね色目」として洗練されていきました。種類は200以上あったとされています。
まずは布の裏表で表現する「重ね色目」を一部ご紹介します。いずれも家流で名前や順番、色味が異なる場合がありますので、ほんの一部の例としてお楽しみください。
「襲(かさね)色目」は衣を重ねたことでみえる袖口や裾のグラデーションを楽しむもの。
こちらも同じく、無数の組み合わせで四季折々を表現していました。
基本的には草木等の植物の色で表現されますが、素敵な組み合わせがすごく多いですよね。昔の日本の色彩感覚は現代にも息づき「日本の色」として愛されています。
とはいえ貴族も普段から重ね着することはせず、庶民と同じように小袖だけで過ごすことが多かったようです。
鎌倉~室町時代
武家が中心となった鎌倉では平安時代の貴族の格式ばった衣装から離れていきます。
鎌倉時代以降の武家社会では動きやすさが重視され、下に着ていた小袖が次第に外衣として着られるようになりました。室町時代には小袖が日常着の主流となっていきます。装飾が施され、袖や肩、裾に模様を入れたりと派手な小袖が作られるようになったといわれています。
江戸時代
江戸時代は比較的平和になり、町人文化が栄えた時代です。装飾技法もどんどん進化して「織」も「染め」も技術が多種多様になってきます。庶民も麻や木綿だけでなく絹を着ることができ、金糸の刺繍も取り入れられ始めました。
一方で、奢侈(しゃし)禁止令により豪華な衣装が禁じられた時期もあります。
それでもおしゃれを楽しみたかった町人は、服の裏地を豪華にして、見えない所でこっそり遊ぶ「裏勝り」という文化を生み出しました。
明治以降
明治維新により武士の世の中が終わり多様な、衣装を着る時代に変化するにつれ着物を着る人も減っていきます。
第二次世界大戦後にはほとんどの人が洋服で過ごすようになり、着物は結婚式や成人式、卒業式などの特別なタイミングで着る物となりました。
現代における着物の立ち位置
現代では着物を着る機会は減りましたが、成人式、卒業式、結婚式など、ハレの日に着る「晴れ着」として定着しています。滅多に着ない着物だからこそ特別感のある装いとなります。
「ハレ」とは非日常的なおめでたい日・儀礼や行事など、節目の日の事を指します。
ハレの日には特別な衣装を着るのが良いとされています。まさに振袖や訪問着など、着物が代表と言えるでしょう。
着物は「特別」に、洋装は「当たり前」になったため、次第に着物に関わる職人や生産者は減り、技術や伝統を守る動きが必要になってきました。そして、結城紬、小千谷縮、宮古上布などの伝統的な織物が国の重要無形文化財に指定され、着物文化をユネスコの無形文化遺産への登録を目指す動きも出てくるようになりました。
着物を楽しむならレンタルがおすすめ
近年になって着物が見直されはじめ、「着物を気楽に着よう」という風潮に。洋服とミックスしたユニークでかわいいカスタマイズで楽しむ方も増えてきました。
着物のほうにも変化がうまれ、昔ながらのアンティークな着物だけでなく、現代的な色柄の着物が増えてきたり、ベルト式の帯などの手軽に楽しめる工夫が施されたものも人気になってきています。
しかし、着物といえば簡単に手が出ない高価なもの。着物と帯、道具の一式をそろえるとかなりのお値段になってしまいます。
そこでおすすめしたいのが「レンタル着物」です。
レンタル着物ならお値段も張らず、心ゆくまで自分に合った色の着物や帯を選べます。
しかも繊細な着物の管理も必要ありません。「着物には憧れるけど、正直買うまでではないかな……?」という人は、レンタルで気軽に着物を楽しんでみてはいかがでしょうか。
せっかく着物を楽しむのなら、ロケーションにもこだわってみませんか。
小江戸と呼ばれるほど歴史があり、情緒がある街「川越」は散策するのにぴったりな観光地。
そんな川越の一角にレンタル着物のお店「晴衣(はれころも)」はあります。
「晴衣」は「セルフスタイリングで愉しむ、現代和装」というコンセプトの着物レンタルサービスです。
着物作家による個性が光るデザイン性の高い着物が豊富で、小物もオプション無しで自由に組み合わせられます。着物はすべて着脱が簡易なセパレート仕様!自分好みの着こなしに挑戦できます。
女子旅やカップルでの利用はもちろん、自分らしい着物スタイルを楽しみたい方にぴったりです。
ファッション感覚で和装を楽しめるので、着物初心者でも気軽にチャレンジできます。
関東
川越店 【椿の蔵】
〒350-0063
埼玉県川越市幸町3-2椿の蔵1F
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椿の蔵
10:00-18:00土日祝10:00-19:00
足湯喫茶TSUBAKIYA
11:00-17:30(L.O.17:00)土日祝10:00-18:30(L.O.18:00)
■西武新宿線「本川越駅」を利用の方、東武バス5分、「一番街」にて下車、または徒歩16分。
■東武東上線・JR「川越駅」を利用の方、東武バス7分、「一番街」にて下車すぐ。
※尚、江戸の日は、蔵の街通りが所定の時間「車両通行止め」となります。
随時予約受付中
着物はTPOに合わせれば、普段着としてもおしゃれ着としても楽しめる!
起源が非常に古い「着物」ですが、日本の歴史とともに進化を続けて、現代になってまた日本人と縁深い存在になりはじめています。着物はお手入れをすれば長く着続けられるものです。お祖母様やお母様から着物を継いでいる人も少なくないかもしれません。
難しく思われがちな着付けでも、現代は手軽に動画などの手段で覚えることだってできます。
和洋ミックスが流行に取り入れられる昨今、簡単に着ることができる着物や「帯ベルト」のような便利なアイテムも増えてきました。ブーツやスニーカーに合わせて、あなたの感性でモダンに着物を楽しんでみませんか。